some stories
Some Stories 体験流 【抜粋編】
・オリジンにふれる、トーマス W. マローン、体験流
・オリジンにふれる、トーマス W. マローン、体験流
・オリジンにふれる、ウィノグラード、Google、体験流
・オリジンにふれる、ドナルド A. ノーマン、体験流
オリジンにふれる、ドナルド A. ノーマン、体験流
2007-07-30
体験流に関係する用語である、ユーザ・エクスペリエンス(UX)やエクスペリエンス・デザインの世界では、iPhoneが話題になっていることは、皆さんよくご存知だと思います。
日経エレクトロニクスの2007年7月30日号に、
「iPhone はどこがすごいのか」
という記事がでました。
この中で、ドナルド A. ノーマンがコメントをしています。
ご存知のように、ノーマンが1990年代になって大学(UCSD)から、アップルに移り、User Experience Architect と称した頃から、エクスペリエンスが時代のキーワードのひとつになってきたようだ、といわれています。
今回のコメント記事を読みながら、20年前のことが懐かしく思い出されました。
1988年のJulyと自らサインをして、これを、といって頂いたのが「Psychology of Everyday Things」。
(後にこの本は、Design of ....と改題されていますが、当時は、彼は、題名を略すとPOETとなるよ、といたずらっぽく笑っていましたが。)
1988年に出された、私にとっては、いわば「小さな気づきを大切に」を教えて頂いた、オリジンのひとつでもあります。
UI(User Interface)からUX(User Experience)へ、Emotional Design へ、などなど、その後の体験流のオリジンに、最近またふれることができて、なつかしい気持ちでいっぱいになった一日でした。
オリジンにふれる、ウィノグラード、Google、体験流
2007-07-09
先週、久しぶりに訪れた東京駅のエキナカの本屋さんで、「NHKスペシャル グーグル革命の衝撃」という本を購入しました。
例によって、グーグルに関する様々な事柄が、「検索」がもたらすもの、天才集団の牙城、広告革命、既存のメディアを揺さぶるグーグル、誰が検索順位を決めるのか、グーグルにすべてを委ねるのか、膨張する巨大IT企業の行方、人類のライフスタイルとグーグル、「退化」する私たちの未来、などの言葉でお話がされていました。
ほとんどの内容は、皆さんがすでにご存知の内容でした。
でも28ページの1行に私の目は釘付けになりました。
ご存知のように、Gooogleは、1998年に、スタンフォード大学の二人の学生、サーゲイ・ブリンとラリー・ページによって誕生しました。
二人は1995年に最初に出会ったとのことですが、28ページには、
「二人の足跡や考えの一端を知りたいと、グーグル発足当時、ラリー・ページの指導教官だったテリー・ウィノグラード教授を訪ねることにした。」とありました。
1989年に、私たち(当時、ヒューマンインタフェースのR&D活動を進めていた複数の企業の仲間たち)は、スタンドフォード大学に、ウィノグラードさんを訪ね、わくわくするような議論をして頂いたことが、走馬灯のように想いだされてきました。
当時、ウィノグラードさんは、「Understanding Computers and Cognition: A New Foundation for Design」という著書で、私たちにわくわくするような衝撃を与えて頂いていました。
その序文には、
「どんな技術でも、人間の本質や活動についての暗黙の理解という「背景」から生まれてくる。
一方、技術を使うことによって、我々の行動、ひいては存在そのものに根本的な変革がもたらされる。
道具(ツール)をデザインするとは、自分の存在のあり方をデザインすることだ、という点に思い至ると、デザインについての根源的な問いに出会うことになる。
これを真正面から受け止めて初めて、我々はコンピュータ技術を理解する新しい背景を築くことができる。
この背景こそが、コンピュータ・システムの設計と利用に重要な進歩をもたらしてくれる。」
とあります。
お逢いしたときの議論では、当時の技術動向の議論や、この本の哲学的背景についての先生の「思い」について、再確認させて頂いたりしました。
終わり際に、私は、ウィノグラードさんに、もう一度、先生の「思い」について、お聞きしました。
そこで、「これからは、従来の図書館のように情報を集め、利用する形態が大きく変わってくることが予想されるが、今の図書館でもそうであるが、情報の仲立ち・案内をする人の役割が、とても重要になってくる。それは、・・・・・・・」と、静かに、深く諭すように話して頂いた。
そのときにも、オリジンにふれたふるえを感じたのを、憶えていますが、このたび、改めて、そのオリジンを再確認することができ、本を読みながら、うれしさがこみ上げてきました。
ところで、よーく想いだして、「表層の皮」から深層を流れるオリジンをみつめてみると、今のGoogleは、上記のオリジンの「・・・・・・・」の中のひとつの「・」に焦点をあてているに過ぎないような気がしてきました。
小さな気づきかもしれませんが。
もう一度、これまでの「オリジンにふれる体験流」を、再構築してみたいと思います。
オリジンにふれる、トーマス W. マローン、体験流
2007-06-13
(日本語版の)ハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)5月号に、
(実は、英語版のHBRでは1998年9-10月号の論文ですが)
デジタルネットワークが巨大企業を分裂させる
「eランス経済の台頭」
The Dawn of the E-Lance Economy
というのがでていました。
20年前ほど前に、HCIの世界でマローンとお逢いしたことが懐かしく思い出されました。
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トーマス W. マローンは、ITが組織にもたらす可能性について
一貫してポジティブな主張を展開している人物として知られる。
彼は19990年代、21世紀の組織のあり方を探る研究プロジェクト
("Inventing the Organizations of the 21st Century")
から得られた知見として、
デジタル・ネットワークに結合された独立した個人という「eランサー」が
価値を創造する「eランス・エコノミー」の台頭を本稿で提唱した。
その主張は、21世紀をデジタルネットワークの進展によって、
大企業が小さな単位に分割されていく過渡期ととらえるものである。
本稿は98年に発表されたものの、未訳となっていたが、
このようなワークスタイルの変化が世界的に本格化しており、
クリエイティブ経済の未来を予測するうえで一読に値する。
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と、あります。
20年程前にお逢いしたときには、ACMのHCIというソサエティで、私にとって異色の存在で、多くのことを教えて頂きました。
特に、当時、彼が創設した、「Coordination Science」の話が、眼を開かせてくれました。
本文を読みながら、彼の澄んだ眼が、まぶたに浮かんできました。
底流を流れる体験流にふれることができました。
ありがとう!
オリジンにふれる、ビル・バクストン、体験流
2007-08-06
ビル・バクストンが、ユーザ・エクスペリエンス(UX)に関する大きな本を書いています。
ビル・バクストンと初めてお逢いしたのは、20年前のこと。
彼は、HCIの世界では、私には尊敬すべき異色の存在で、ミュージシャンとしての体験を活かして、常に私達技術者の目を開かせ、グラウンドから刺激を与えてくれていました。
Design as Dreamcatcher
Stories of Methods and Madness
という2つの視点から、UXのデザイナーをめざすものにとっては珠玉のスケッチを与えてくれます。
人懐っこいひとみが、今、ここで語りかけてくれているような感じがしております。
ありがとう!
Design as Dreamcatcher
(1)Design for the Wild
(2)Case Study: Apple, Design, and Business
(3)The Bossy Rule
(4)A Snapshot of Today
(5)The Role of Design
(6)A Sketch of the Process
(7)The Cycle of Innnovation
(8)The Question of "Design"
(9)The Anatomy of Sketching
(10)Clarity is Not Always the Path to Enlightenment
(11)The Large Family of Renderings
(12)Experience Design vs Interface Design
(13)Sketching Interaction
(14)Sketching Are Not Prototypes
(15)Where Is the User in All of This?
(16)You Make That Sound Like a Negative Thing
(17)If Someone Made a Sketch in the Forest and Nobody Saw it...
(18)The Object of Sharing
(19)Annotation: Sketching on Sketches
(20)Design Thinking and Ecology
(21)The Second Worst Thing That Can Happen
(22)A River Runs through It
Storries of Methods and Madness
(23)From Thinking On to Acting On
(24)The Wonderful Wizard of Oz
(25)Chameleon: From Wizardry to Smoke-and-Mirrors
(26)Le Bricolage: Cobbling Things Together
(27)It Was a Dark and Stormy Night...
(28)Visual Story Telling
(29)Simple Animation
(30)Shoot the Mime
(31)Sketch-a-Move
(32)Extending Interaction: Real and Illusion
(33)The Bifocal Display
(34)Video Envisionment
(35)Interacting with Paper
(36)Are You Talking to Me?