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アマゾン・ウェイ:

挑戦、顧客志向、楽観主義

たゆまぬ挑戦を生む企業文化の秘密)

DHBRの記事を素材にした「示唆・学び」の共創・創発の場

たゆまぬ挑戦を生む企業文化の秘密

アマゾン・ウェイ: 挑戦、顧客指向、楽観主義

The Institutional Yes

Jeff Bezos

アマゾン・ドットコムの創業者にして、現在会長兼CEO兼社長。

プリンストン大学卒業後、ニューヨークで金融アナリストとして勤務した後、1990年にヘッジ・ファンドのD.E.ショーに移り、92年にエグゼクティブ・バイス・プレジデントに昇進。

しかし94年春、インターネットの拡大に注目して退社し、翌95年7月にアマゾンを創業。

インターネットの爆発的な普及が始まった1995年に創業して以来、

アマゾン・ドットコムは常にeコマ-スの先端を走り続けてきた。

それは、業界や資本市場のみならず、社員たちをも驚かせる挑戦の連続だった。

可能な限りの価格の低下とプロセスの生産性向上に努める一方、

書籍販売にとどまらず、新規分野への参入と新サービスの開発に取り組み、

時には既存事業とのカニバリゼーションをもいとわない。

その土台は、ジェフ・ベゾスいわく「企業文化」であるという。

不確実性が高い現在だからこそ、ライバルの動向を追いかけるのではなく、

顧客重視の姿勢を貫き、そのために果敢にチャレンジする。

とはいえ、CEO以下全員が、肩の力を抜いて仕事を楽しむ。

いまあらためて、アマゾンの創業者に、その強さの秘密を聞く。

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【目次】

1.アマゾンの戦略は何を礎にしているのか

2. 5年、10年先でも変わらないものは何か

3.「お客様に望ましいことは何か」をたえず問う

4.戦略は企業文化に従う

5.可能な限りチャレンジしあらゆるチャンスを見逃さない

6.体系的に管理されたプロセスは官僚主義の産物ではない

【参考図表】 アマゾンの軌跡

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1.アマゾンの戦略は何を礎にしているのか

アマゾン・ドットコムは戦略の申し子である。

周知のように、創業者のジェフ・ベゾスは投資会社の計量分析チームにいた当時、ネット上での書籍販売にビジネスチャンスを見出した。

出版業界については門外漢だった彼は、論理的な発想に基づいてビジネスモデルを築いた。

商品の性格とサブライチェーンの構造から考えて、リアル店舗を構えなくとも大規模に事業展開できるはずだ、とにらんだのだ。

アマゾンは1955年の創業以来、業務の生産性向上に努める一方、未開拓市場を見つけ出しては積極的に参入してきた。

最近も、ウェブ構築者向けに事業展開するという大胆な動きを見せた。

自社用に開発したツールを、他のウェブ構築者向けに提供するのだ。

アマゾンの新規事業はどれもそうだが、この事業もまた、十分に理にかなっていながら、意外性に満ちている。

どこか型破りなのだ。

アマゾンの打ち手が次々と的中したことを受け、HBR編集部では、アマゾンならではの戦略プランニングの特徴を探ってみたいと考えた。

どのようにアイデアを検討するのか。

その実現に向けて、どのような努力を傾けるのか。

ジェフ・ベゾスの持ち昧こそが強みなのか、それとも組織力のなせるわざなのか。

編集長のトーマス・A・スチュアートとシニア・エディターのジュリア・カービーが、二回にわたってベゾスにインタビューを試みた。

ベゾスは、トレードマークの笑顔を折々に交えながら、幅広い内容について熱っぽく語ってくれた。

なお、ベゾスの妻マッケンジーは、会う人ごとに「ジェフは機嫌が悪くても、五分もすればケロっとして笑い転げるわ」と語っている。

インタビュアーの二人は、アマゾンの戦略と企業文化は、根っからの起業家特有の楽観主義に由来しているという感想を抱いた。

以下の内容は、インタビューを編集したものである。

2. 5年、10年先でも変わらないものは何か

【Q01】アマゾンでは、だれが戦略の方向性を決めるのですか。

創業時は、引っ越しのためにニューヨークからシアトルに向かう車のなかで、あなた自身がすべてのプランを考えたのですよね。

いまでもあらゆる戦略について、あなた自身が考えているのですか。

【A01】とんでもない。当社には「シニア・チーム」、略して「Sチーム」というグループがあり、Sチームが事業の状況を踏まえながら戦略の検討に当たっています。

毎週火曜日、4時間ほどの会議を開いています。

そのほかにも年に1、2度は、2日間カンヅメになって、さまざまなアイデアについて検討します。

その際、あらかじめ宿題が出されます。

これらの会議の議題は、緊急性の高いものばかりではありません。

我々は時代を先取りしていますから、さらに先のことをじっくり考えたり、議論したりする時間があります。

将来有望なアイデアを絞り込み、それに賭けることになりますけどね。

大切なのは、この取り組みを、上層部にとどまらず全社に広げることです。

アマゾンは〈フルフィルメント・パイ・アマゾン〉という出荷代行事業を展開しているのですが、この事業の責任者も、事業部内で戦略的な発想が活発になるよう、日々心を砕いています。

同じような工夫や努力が、規模こそ違いますが、社内の至るところで行われています。

何より大切なのは、そのような活動すべてが企業文化に根差していることです。

アラン・ケイ(注1)は「着想はIQ80に相当する」と述べていますが、アマゾンの戦略プランニング力は、この着想力に支えられているといえましょう。

【Q02】アマゾンの企業文化について、もう少し説明してください。

【A02】当社の人材には、「種をまいて、大きな木へと育つのをじっくり待とう」という心構えがあります。私はこのような企業文化をとても誇りに思っています。

ほかの企業ではあまり見られないと思いますから。

アマゾンでは、次の四半期についてあれこれ予測したり、重箱の隅をほじくったりするようなことはめったにありません。

株式を公開すると、このようなことに気を取られるあまり、本当に適切な戦略が描けなくなってしまう

企業があるようです。

【Q03】アイデアの種をまく時、カシの大木のように足下がしっかりしたビッグ・ピジネスに育つだろうと、その将来が見えているのでしょうか。

それとも、成り行き次第なのでしょうか。

【A03】どのアイデアが大きく育つか、事前に見極めることは不可能です。

ただし、常にその可能性は念頭に置いています。

ですから、「手塩にかけて育てれば、きっと大きくなるに違いない」と思えるアイデアを選ばなければいけません。

「成功したあかつきには、全社にとって意味のある事業になるだろうか」という問いかけも重要です。

これまでアマゾンが新規事業を始めると、そのたびに社外から、いえ時には社内からも、「本業とあまり関係のなさそうな方向へ進もうとしている」という批判的な視線が飛んできました。

つまり、たとえば「書籍、CD、DVDなど、なぜメディア関連商品に特化しないのか」「どうして国際展開するのか」「直販のほかに第三者が販売できる〈マーケットプレイス〉を設けたのはなぜか」といった疑問を投げかけられたのです。

最近では、ウェブ構築者向けの〈アマゾンWebサービス〉が槍玉に上がっています。

「ウェブ構築者を顧客にすることに、どのような意味があるのか」とね。

もっともな疑問ではありますが、このように考える人たちの胸の内には

「既存企業が新しいことをやっても、うまくいくわけがない」という思い込みがあります。

実際、その事業が大当たりしても、黒字化するまでには何年もかかりますから。

これまでの経験では、新規事業の種をまいてから利益が出始めるまでには、必ずというわけではありませんが、おおよそ5~7年くらいはかかりますね。

【Q04】ということは、社内外の人々から信用してもらう必要がありますね。

「投資はいずれ実を結ぶ」と信じさせるには、何が求められるのでしょうか。

【A04】普遍的なものを戦略の土台にするとよいでしょう。

社外の人たちと話をしていると、しばしば「5年後、10年後には、いまとは何か違っているでしょう」という質問を受けます。

ところが「5年後、10年後にも、いまと変わらないものは何でしょうか」と聞かれることはまずありません。

当社では、たえずこの問いと向き合っています。

変わらないものを土台にすれば、目覚ましい成果を上げられます。

いまの努力がすべて、10年後にも利益をもたらします。

ですが、競争相手はだれか、どのような技術が利用できるのかなど、移ろいやすい要因を前提に戦略

を立てていては、土台そのものがすぐに揺らいでしまいますから、たえず戦略を書き換えなければなりません。

【Q05】変わらないものとは、具体的には何でしょうか。

【A05】当社の場合、大きいのはお客様の知恵ですね。

アマゾンのB2C事業で何か重要かといいますと、豊富な品揃え、低価格、スピーディな納品などです。

何か大切かは、事業の種類によって異なります。

お客様がいつも価格を重視するとは限りませんから。

当社のお客様にとって大切なのは、先ほど挙げた3つですし、10年後にお客様から

「商品が届く時間がもっと長ければ理想的なのに」と言われることなど、まず考えられません。

「値段がもっと高ければいいのに」もしかりです。

つまり、短所を改めるように努め、コストひいては価格を引き下げる。

この点は10年以上経っても変わらないでしょう。

この土台を大切にすれば、将来にわたって利益は増え続けていくでしょう。

もう一つ、世のなかが見渡しやすくなっている、つまり行き届いた情報を入手しやすくなっているという事実を忘れてはいけません。

この認識に立てば、お客様と手を結ぶ戦略を選択することが賢明だといえます。

マーケティングの発想を変えるのです。

仮に、素晴らしいサービスの提供とそのアピールに、これまで3対7の比率で力を割いていたなら、今後はこの比率を逆転させなければいけません。

アマゾンの戦略の多くは、このような視点に基づいており、これはなかなか意味深長です。

長きにわたって安定していそうなものを見つけ、それを行動の拠りどころにしているのです。

もちろん、我々の考え方が誤っている場合もあるかもしれません。

ですから、白分たちが拠りどころとしているものが正しいかどうかを見極める仕組みも大切でしょう。

3.「お客様に望ましいことは何か」をたえず問う

【Q06】アマゾンには、消費者のほかにも、商品の売り手と、アマゾンが開発したツールを利用するウェア部構築者の3種類の顧客がいますね。

これらの顧客にとって終始変わらない要素とは何でしょうか。

【A06】ウェブ構築者に関しては、いまだ答えを探っている段階ですが、かなりのところまで目星はついています。

一つはプラットフォームの信頼性です。

わかり切ったことですよね。

もっとも、重要な事柄はたいていわかり切っているものです。

他方、商品の売り手について言えば、この人たちが何より求めているのは売上げです。

【Q07】アマゾンのオークション事業が暗礁に乗り上げた理由も、そのあたりにあるのでしょうか。

すでにイーベイが売り手を囲い込んでいましたから。

【A07】いいえ、それはちょっと違います。

アマゾンのサイト上で何かを購入しようとする人たちは、利便性を大変重視しています。

こちらも、お客様の手間をできる限り省くように努力を重ねてきました。

この点は、クリック1回当たり売上高、あるいはページ・ビュー当たり売上高で見ればわかります。

アマゾンでは、効率のよいショッピングが可能ですから、どちらの数値もとても高いのです。

このように簡単でスピーディに購入したいと望んでいるお客様は、オークションに参加したとしても、途中でしびれを切らし、オークションの終了まで待つことができません。

オークションはどちらかというとゲームのようなものでしょう。

遊び心が入り込みますから、単に買い物を済ませることとは違うようです。

ですから、サービスの種類も顧客セグメントも異なるのです。

実のところ、このことはアマゾンの歴史上で特筆すべきものでもあります。

私も社員たちに繰り返し語り聞かせています。

なぜなら、粘り強さやビジネスの厳しさというテーマと絡んでくるからです。

オークション事業のもともとの発想は、「ウェブサイトでモノを売ろう。品揃えを充実させよう」というものでした。

品揃えを増やす一つの方法は、第三者による出品を受け入れて、出品者と当社の間にウィン・ウィンの関係を築くことです。

こうしてオークション事業に乗り出したわけですが、結果は芳しくありませんでした。

次に、オンライン・モールとして〈zショップ〉を設けました。

『ハリー・ポッター』シリーズの中古本を売りたい場合、〈zショップ〉に出店すれば、新品の『ハリー・ポッター』の脇役に甘んじるのではなく、独立のページが持てるという趣向でした。

ですが、〈zショップ〉の成果もいま一つでした。

サード・パーティによる販売が軌道に乗ったきっかけは、各売り手のページを廃止して、商品の紹介ページを一つに集約したことです。

たとえばデジタル・カメラの同じ機種を、当社のほかにもいくつかの売り手が販売しているとしましょう。

その商品の紹介ページでは、アマゾンの売り値のほかにも他社の売り値が表示されます。

しかも、他社のほうが安い値づけをすることもできるのです。

【Q08】そのようなサービスを始めるのは、勇気が必要だったでしょうね。

売り手や出品者が増えたとしても、自社の売上げへの打撃になるかもしれないわけですから。

【A08】社内でも喧々諤々でした。

当社のバイヤーの立場になってみてください。

あるデジタル・カメラを1万台仕人れた直後に、上司からこんな宣告を受けるのです。

「よく聞いてくれたまえ。昨日の敵と、同じページ上の隣り合ったコーナーで同じ機種を販売すること

になった」。

バイヤーは当然、あ然とすることでしょう。

デジタル・カメラはいまや、スーパーマーケットに並ぶ鮮魚と同じように、たちどころに古くなってしまいます。

ですから、500万両素の機種を大量に抱え込むのは遠慮したいですよね。

すぐに600万両素の機種が売れ筋になり、旧機種はただ同然で処分せざるをえなくなります。

このような状況ですから、当たり前ですが、当社のバイヤーは非常に神経質になり、上司との間で、こんな会話を交わすことになります。

「いいですか。私はこの機種を1万台仕人れたばかりで、在庫リスクを抱えています。

それなのに、主力販売チャネルであるサイト上に次々とライバルを招き入れ、売上げが奪われるのを指をくわえて眺めようというわけですよね。

しかも、相手はこちらよりも安い値段をつけるでしょうから、当社は売上機会を失う ---」

「そういうことだ」

このサービスを立ち上げる前に、社内でじっくり話し合いました。

カニバリゼーションの問題をめぐって冷静な会話が成り立ちそうもなくなると、単純なアプローチを採用することにしています。

ウオーレン・バフェツトは、自分の机のうえに「未処理」「既決」「処理不能」という三つの箱を置いているそうです。

我々は、「処理不能」の課題にぶつかってどうしたらよいのかわからない時は、問題を単純化するために「お客様にとって望ましい選択肢は何か」という発想に切り換えます。

正直なところ、当社はとことん低コスト化を推し進めているため、デジタル・カメラのような製品の販売にかけては、他社を寄せつけません。

絶好調と言ってもよいくらいです。

もっとも、この数年間で何より重要なのは「短期的にはあえて負ける」という戦術を取ったことでしょうか。

創業まもない95年、〈カスタマーレビュー〉の掲載を始めましたが、本を酷評するレビューもありますから、出版社からは渋い顔をされました。

私の元には出版社から「なぜ否定的な意見を載せるのか。好意的な意見だけを紹介すればよいものを」という手紙が寄せられました。

なかには「ビジネスの本質がまったくわかっていないのだろう。

本が売れなければ話にならないのに」という、辛らつな意見もありました。

ですが、私には私なりの考えがありました。

「商品を売って利益を得ているのではない、お客様の購買意思決定を手助けして利益を得ているのだ」と自分に言い聞かせたのです。

【Q09】つまり、時代を超えた顧客ニーズに従って打つべき施策を決め、判断に迷う場合には、顧客の視点に立って決断しているわけですね。

マイケル・ポーターは、戦略はファイブ・フォース(注2)に基づいて決めるべきだと説いていますが、これまでのお話では、ファイブ・フォースのうちの一つしか言及されていません。

【A09】私には、生まれつき顧客志向が備わっているようです。

これこそ、競合他社ではなく、お客様を重視した戦略を探ろうという情熱の源ではないでしょうか。

ライバルに照準を合わせるのも間違ってはいないと思います。

輝かしい業績を誇る企業のなかには、優れたベンチマーク・ツールを開発して、ライバルの真似をしているところもあります。

そのような戦略には、さまざまな利点があるでしょう。

ですが、アマゾンの流儀は違います。

我々も、競合他社を無視しているわけではありません。

他社の動きにもたえず目を配るように心がけていますし、もちろんベンチマーキングにも取り組んでいます。

それでも、やはり当社は「お客様重視の戦略を築きたい」という思いに突き動かされているのです。

このお客様重視の戦略こそ、世のなかが激しく変化している時ほど、成果につながりやすいのではないでしょうか。

私がこう考えるのには、二つの理由があります。

第一に、先ほどお話ししたように、顧客ニーズの変化は、世のなかの動きと比べて緩やかです。

もちろん、顧客ニーズを正しく見極められないことには元も子もありませんが。

第二に、競争環境がネコの目のように変わると、ライバルを意識した戦略は奏功しにくいのです。

模倣戦略の利点は、袋小路に入り込まずに済むことにあります。

小さなライバルの様子をうかがい、彼らがうまみのありそうなチャンスを見つけようものなら、こち

らも果敢に攻勢に出ればよいわけです。

競争環境の変化が緩やかな時には、ライバルの動きから目を離さずにいれば、他社に先を越されてもさほど大きな痛手にはなりません。

ところが、インターネットやITの世界は激変していますから、そこではお客様をとことん重視する当社の戦略がきわめて有効なのです。

お客様重視の戦略は、業界リーダーには、いっそう有利に働くのではないでしょうか。

これまでライバルに照準を合わせてきた企業は、いざ業界の頂点に立つと、どうしても油断しがちで

す。

ですが、お客様に焦点を当てていれば、たゆまぬ向上が可能でしょう。

このように、お客様第一主義には多くの利点があるのです。

この発想はけっして新しいものではありませんが-- ほかの企業も同じようなアプローチを取っています --アマゾンでは、企業文化の一つとして社内の隅々まで浸透しています。

4.戦略は企業文化に従う

【Q10】ほかに類を見ないほど、アマゾンは顧客志向を徹底しているのでしょうね。

顧客志向というモデルは、願客からのフィードバックがタイミングよく寄せられるからではないでしょうか。

【A10】まさにおっしゃるとおりです。

アマゾンはお客様第一主義を実践するだけでなく、この分野で世界標準を確立することができました。

ソニーの盛田昭夫氏は、第二次世界大戦後、会社の目標を定めました。

ソニーを[高品質」の代名詞にしようとしたわけですが、同時に盛田氏は「品質立国ニツポンの立役者になる」というより大きな目標を掲げていました。

このような壮大な目標に接すると、心が洗われます。

後世の人たちから「産業界に本物の顧客志向を浸透させた」として称えられる企業を築くのが私の夢です。

それが実現したら、どれほど素晴らしいことでしょう。

【Q11】カスタマー・フォーカスを続けられない企業も少なくありません。

規模が拡大するにつれて、社内の都合が優先されてしまうからでしょう。

これを防ぐために、どのような工夫をしていますか。

社員たちを啓発するために、自分の視点や考え方を社内に伝えたりしているのですか。

【A11】アマゾンでは年に3回、全社会議を開き、この会議を自己啓発の場として活用しています。

また、同じメッセージを何年も繰り返してきました。

私自身も、競合他社を意識するよりも、確かな情報に基づいてお客様重視の姿勢を貫くほうが重要であると、口をすっぱくして言い聞かせています。

このほかにも、顧客ニーズを常に肌で感じ取れるように、さまざまな取り組みを重ねてきました。

アマゾンに入社した人は、職位や年齢を問わず、みんな最初の1年は注文処理センターで働くことになっています。

さらに2年置きに2日間、カスタマー・センターの業務を経験します。

全員がコール・センター業務をこなせなければなりません。

【Q12】ご自身もですか。

【A12】もちろんです。

半年前でしょうか、顧客サービス担当者として合格であるというお墨つきを、あらためてもらったところです。

創業から2年間は、顧客サービスに明け暮れましたが、その後もお役御免になったわけではありません。

とにかく楽しいですし、実に得るものが多いです。

退屈でもなければ、ましてや辛さなどとは無縁です。

顧客サービスは一見すると単調かもしれませんが、実際にやってみると、仕事への情熱がいっそうかき立てられます。

当社の企業文化は、意外なほどぶれないでいます。

企業文化は放っておいても息づいていくようです。

なぜなら、アマゾンの企業文化にふさわしい人材が次々と集まってきますし、合わない人は自分から去っていきますから。

幹部社員を新規採用すると、彼ら彼女らの多くは、一ヵ月もすると「アマゾンの顧客志向は、想像を絶するほどの徹底ぶりですね」と驚きをあらわにします。

ですから、ライバルばかり意識するタイプの人が入ってくると、考えられる反応は二つに一つでしょう。

当社のお客様重視の姿勢に接して、「すごい。目からうろこが落ちた」と感激するか、「やっていられない」とあきれるかのどちらかです。

後者の場合、「企業文化」という言葉を使ったりはしないまでも、何かが足りないように感じるのでしょうね。

こうして、アマゾンの企業文化はますます強化されていきます。

ですから、ライバルが模倣しようとしてもまずできないでしょう。

適切な使命を導き出す企業文化は、とても大きな競争優位になります。

どのような企業にも限界があり、できないこともたくさんあります。

つまり、企業文化を踏まえたうえで、戦略を考える必要があるのです。

【Q13】企業文化は経路依存性があるということでしょうか。

創業メンバーや創業直後の出来事によって、方向づけがなされるわけですね。

【A13】そのとおりです。アマゾンの企業文化を決定づけた出来事についてお話ししましょう。

97年の5月頃だったと思いますが、当社はさる業界筋の方から「絶体絶命」という宣告を突きつけられました。

その理由はきわめて単純なものでした。

大手書店のバーンズ・アンド・ノーブル(B&N)がオンライン・ショップを立ち上げた以上、たかが社員125人、年間売上高6000万ドルのアマゾンに勝ち目があるはずがない、というのです。

【Q14】眠れる獅子を起こしてしまったというわけですね。

【A14】そうです。

B&Nは当時、従業員数3万人、売上高30億ドルを誇っていました。

くだんの業界筋の方が言うには「アマゾンは最初の2年は好調だったが、それももう終わりだ」というものでした。

つまり、破綻は時間の問題であると。

彼のリポートの題名がそもそも「アマゾン・ドット・トースト」(アマゾン破綻)でした。

このリポートはいろいろなメディアで取り上げられ、至るところで紹介されました。

アマゾンは当時、ネット企業の代名詞でしたからね。

社員たちの元には、心配した親御さん、特にお母さんから、「大丈夫なの。『アマゾンは破滅する』って書いてあるけど」と電話がかかってきたようです。

我々は全社会議を開きました。

何しろ社員は125人しかいませんでしたから、全員を集めるのはわけもありません。

ミーティングでは「気にすることはない。B&Nがどれだけたくさんのヒト、モノ、カネを持っているかな

ど、考えてみたところでしかたないさ」と声を掛け合いました。

私はみんなに、こうはっぱをかけました。

「もっともっと心配しなさい。ただし、ライバル企業に脅えるのではありません。お客様に畏敬の念を抱くのです。利益をもたらすのはお客様であって、ライバル企業ではないのですから」

以来アマゾンは、たえずお客様の視点から、いくつもの意思決定を下してきました。

評論家、ジャーナリスト、証券アナリスト、業界アナリストなど、善意の人々から何度も疑問を投げかけられました。

配送無料、あくなき低価格の追求、会員制プログラムの〈アマゾン・プライム〉などが、批判にさらされました。

アマゾンは、これらの取り組みを発表するたびに集中砲火を浴びてきましたが、それでも何とか成果を上げ、少しずつ信頼を高めてきたのです。

5.可能な限りチャレンジしあらゆるチャンスを見逃さない

【Q15】これまで最大の戦略ミスは何ですか。

【A15】私か思うに、大きなミスの大半は、何かをしてつまずいたのではなく、何かをするチャンスを逸したことにありますね。

とはいえ、会社がその責任に問われることはまずありません。

チャンスに気づき、何か行動を起こすべき立場にもかかわらず、それを怠る。

そのためのスキルやコンピテンシーがある、あるいは学習できるにもかかわらず、手をこまねく。

「おのれの仕事に専念する必要はない」と言っているにもかかわらず、なぜかそれだけに専念してしまうのです。

【Q16】そのようなミスに早く気づくことも、それについて経営陣の責任を問うことも、とても難しいことです。

何かうまい方法はありますか。

【A16】「なぜ挑戦しないのか」と自問するように習慣づけるとよいでしょう。

チャンスに目を留め、自社にスキルや何らかの優位性がある、ビッグ・ビジネスになると考えたとしましょう。

その場合、「なぜ参入するのか」という質問を必ず突きつけられますよね。

ですが、「なぜ参入しないのか」という問いもやはり重要なはずです。

参入を見送るべき理由がある場合も考えられます。

資金が足りない、あるいは既存事業に注力すべき大切な時期で、いまここで別のことを始めてしまっては、その責任を果たせない。

このような場合ならば、「なぜ参入しないのか」と聞かれても、その理由をはっきり説明できるでしょう。ところが通常、この質問が飛んでくることはありません。

何だか不公平ですが、これもチャンスをみすみす逃してしまう一因かもしれませんね。

【Q17】「けっしてチャンスを逃すまい】と身構えると、かえって手を広げすぎて、経営資源が拡散してしまうおそれがあるのではないでしょうか。

【A17】会社全体として、一定期間内にできる限りたくさんのチャレンジを目指すべきだと思います。

当社も、〈アマゾンWebサービス〉に社運を賭けましたが、このような大がかりな施策はそ うそうやれるものではありません。

議論と検討を何度も重ねる必要がありますからね。

黒い帽子を被った人は、そうすべきではないとその理由を主張しますし、白い帽子を被った人はどうしてそれがうまくいくのかを説くでしょう。

とはいえ、ふたを開けてみないことには、何か正解なのかはわかりません。

ただし、実験のやり方を心得ていれば、もっと賭けの幅が広がります。

ですから、実験のコストをどれくらい下げられるのかも、成功のカギを握っているわけです。

当社には「ウェブ・ラボ」という組織があり、ウェブ上のユーザー・インターフェースについて実験を重ねています。

利用状況に関する実データに基づいて、どのインターフェースが最も有効か、統計を取っているのです。

ウェブ・ラボは、我々にすれば一大研究拠点となるので、何とか実験のコストを下げて、もっと多くの実験ができないものか、不断の努力を重ねています。

とはいえ現実には、実験コストを大幅に下げるのはほぼ不可能な場合もあります。

分野によっては、実験するだけでも、実際のサービスを提供するのと同じくらいのコストがかかりま

すからね。

それでも、たえず実験を繰り返すべきです。

まず目星をつけたうえで、それから利益が上がりそうかどうか、最小限のコストで探るべきでしょう。

【Q18】実験の結果が見込みと大きくかけ離れていた例は、どれくらいありますか。

【A18】「お客様から喜ばれるに違いない」と思って始めたサービスでも、結果は鳴かず飛ばずに終わってしまった例はあります。

名称は忘れてしまいましたが、以前こんなサービスを提供したことがあります。

あなたの購買履歴に最も近い履歴のお客様、すなわちあなたの分身のような存在を、何百万人ものなかから抜き出すというものです。

たった一回のクリックで「ドッペルゲンガー」(自分の生き写し)が購入し、そのお客様が購入していない商品をリストアップするのですが、このサービスはだれにも見向きされませんでした。

アマゾンの歴史をひも解くと、これと同じような事例が山ほど出てきます。

社内では「すごいイノベーションだ。大当たり間違いない」と沸いたのに、お客様の反応はさっぱりだったというわけです。

ですが、幸いにも、反対の例にも恵まれました。

〈アマゾン・アソシエイツ〉プログラムは悪くないアイデアだとは思いましたが、導入した時はあまり期待されていませんでした。

〈アマゾン・アソシエイツ〉というのは、お客様を誘導してくれたサイトに紹介料を支払うというマーティング戦術の一つです。

他社に先駆けてこのサービスを開始したところ、予想をはるかに超えた反響がありました。

社内の期待値はすぐさま上がり、これにテコ入れしました。

あれから11年経ちましたが、いまでも成果は上々です。

ただし、実験できないケースもあることを心得ておく必要があります。

最初から本格導入をせざるをえない場合もあります。これには「膨大なコストがかかるから、何としても成功させなければいけない」という不退転の覚悟が求められます。

途中で紆余曲折があったとしても、最後まで諦めてはいけないのです。

話が少し逸れますが、このような企業文化はとても痛快です。

みんな、怖がらずに思い切ってチャレンジする。

組織全員が底抜けに楽観的なのです。社内のそこかしこから「やってやろう。

やり方は何とかして見つけ出してみせる」という声が次々と上がります。

【Q19】「試してみて、その結果を参考にする」という先はどの話とは、どのようにつながるのですか

【A19】ビジョンがぶれることはあってはならないが、細かいところは臨機応変に調整すればよいというのが私の考え方です。

〈マーケットプレイス〉事業の進化については先ほどお話ししました。

これなどはビジョンをあくことなく追求した典型です。

実行の過程では、さまざまな紆余曲折がありましたし、何年も苦闘を強いられました。

ですが、最後までビジョンを貫きました。

〈マーケットプレイス〉への出品者など、特定の顧客層の重要性を確信し、そこに埋もれているニーズを探り当て、市場の可能性を信じられるならば、不屈の精神で頑張り抜くだけの価値があるはずです。

6.体系的に管理されたプロセスは官僚主義の産物ではない

【Q20】事業を拡大し、新規分野への参入も続けるなかでであなた自身、さまざまな試練に遭遇したのではないでしょうか。

その過程でどのような教訓を得られましたか。

【A20】これまであえて口に出してこなかったのですが、「欠陥の低減」と「実行」の2つを重視する姿勢こそ、アマゾンの生命線です。

このような文化があるからこそ、お客様から支持されてきたわけですし、私自身もその重要性を学んできました。

【Q21】それは、あなたに生来備かつている強みではないのですね。

【A21】いま「学ぶ」という表現を使いましたが、これは文字どおり、シックス・シグマやリーン生産方式など、とても有益な手法を数多く学んできたという意味です。

私は生まれつき細かい点にこだわる性質ですから、どうすればお客様に受け入れられるのか、直感的に理解できるのです。

ところが、何度も繰り返し利用するようなプロセスをどのように設計すればよいのか、またそのようなプロセスをどのようにミスなく機能させられるのかについては、まったく知りませんでした。

私はアマゾンを起業するまでは、金融工学の最先端を走るヘッジ・ファンドに勤めていました。

そこでの仕事はとでも体系的でしたが、分析が重視されました。

当然、繰り返し利用するプロセスを設計するという経験はできません。

自動車工場では、欠陥ゼロという目標の下、判で押したように同じプロセスを繰り返さなければいけませんが、ヘッジ・ファンドを運用するうえでは、そのような点は重要ではありませんでした。

ですが、アマゾンでは実行に力点を置いています。

ここ10年間の財務指標を見ていただければわかりますが、たとえば、取扱品目当たりの問い合わせ

件数を見れば、一目瞭然です。

お客様が当社に問い合わせようとするのは、何か不具合があった場合のみでず。

ですから、我々はお客様がらの問い合わせ件数を減らそうと努め、そのかいあって、この12年間で着実に減少しています。

これは優れたプロセス・マネジメントの賜物だと自負しておりますし、このような取り組みをさまざまな業務に広げようと努めています。

最もなじみやすいのは注文処理センターや顧客サービス部門ですが、それ以外にも多くの部門に当てはまることがわかってきました。

プロセスを体系的に管理した経験が浅いと、最初の頃は「これでは官僚主義ではないか」などと悩みがちですが、効果的な業務プロセスと官僚主義は別物です。

官僚主義に蝕まれると、血の通わない業務プロゼスが生まれることになります。

実のところ、我々にもそのような経験がありました。

【Q22】経営者として、あるいはリーダーとしてご自身が成長するうえで、ほかに何が大きな糧になりましたか。

起業家の場合、事業の拡大に自分の成長が追いつかない事例も散見されますが。

【A22】あまり偉そうなことは申し上げられませんが、起業した当時は、何もかも一人でやらなければいけませんでした。

何をすべきかを考えるだけでなく、それを実行するのも自分の仕事なのです。

ところが、会社が大きくなっていくと、ある時点から、何をすべきかがわかっても、具体的な方法がわからなくなります。

そのうち、仕事の詳しい中身すら見えず、だれに頼ればよいのかしかわからない、となります。

ですから、「どのような方法で仕事をするのか」から「何をするのか」、さらには「だれがカギを握っているのか」というように、問いかけの中身が変わっていくわけですね。

とはいっても、必ずしも意識的に改めるのではなく、置かれる環境に応じて自然と変わっていくのです。

事業が成長している時には、これが取りうる唯一の方法ではないでしょうか。

ですから「事業の拡大に遅れることなく、自分は進歩しているか」と、みずからを振り返ってみることが重要でしょう。

もちろん、これはあくまでも一般論にすぎません。

会社がどれだけ大きくなろうと、特定の分野にはトップみずからが深く関わることになります。

優れた経営者はみな、優先順位を決め、最重要分野については具体的な手法にまで目を光らせているようです。

【Q23】あなたの場合、何が最重要分野に当たるのですか。

【A23】価格ですね。可能な限り価格を引き下げるという方針については、いまでも私自身が目配りを欠かさず、関係する社員すべてと意見を交わすよう心がけています。

競争力を失っていないか、価格を下げるためにしっかり努力しているか、この目で確かめなければいけません。

とにかく重要な分野ですので、私自身が逐一首を突っ込んでいます。

【Q24】社内にあなたに意見できる人物はいますか。

【A24】いるもいないも、私に意見しない者を探すのが難しいくらいです。

有能なマネジャーが大勢いますから、私の直属の部下だけでなく、その配下にいる者たちからも、異論、反論が飛んできます。

社内にはざっくばらんな雰囲気が充満していますから、それも手伝って、私に物を言いやすいのではないでしょうか。

もちろん、私に対してだけではありません。

シニア・バイス・プレジデントやバイス・プレジデントにも直言できるようでないと、健全とはいえない

でしょう。ざっくばらんな雰囲気は、

とても貴重な資産だと思います。

もっとも、時には言い争いもしますし、険悪な空気が漂うこともあります。

会社には緊張感が欠かせませんから。

私が常々口にしているように、和やかななかにも緊張感を忘れないのが当社の企業文化です。

いざという時には張り詰めたムードが高まります。

ただし、緊張感を保つといっても、楽しむことも忘れません。

この二つは両立できます。

アマゾンはこの両立を目指していますし、我々が本領を発揮すれば間違いなく両立できるでしょう。

何か大きな問題が持ち上がったら、みんなで集まって笑い合います。

ブラック・ユーモアが飛び出して、泣き笑いになることもありますけどね。

とにかく、ひとしきり笑ってから、問題の解決に向けて本腰を入れるわけです。

お堅い会社の人には、当社の会議は野放図に見えるかもしれませんが、楽しみながら仕事をするのはとても大切なことだと思います。

1時間の会議ならそのうち10分間はジョークが飛び交っています。

たいてい、私がいちばんいけないようです。

「ちょっと思い出したんだけど」などと言って、余談に夢中になってしまいます。

そのうちにだれかが、

「もっと聞いていたいのはやまやまですが、本題を忘れるわけにも---」などと口を挟んできます。

でも、こういうことがとても大切なんです。

(HBR2007年10月号より)

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(注1)「パソコンの父」の異名を持つアメリカのコンピュータ科学者。

(注2)事業の競争環境を「新規参入者」「競合関係」「代替品」「買い手」「サプライヤー」め5つの視点から分析するフレームワーク。

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【参考図表】 アマゾンの軌跡

アマゾン・ドットは1995年7月、ネット書店として創業された。

ほかに類を見ない膨大な品揃えを誇り、

1日24時間年中無休でショッピングできる。開業以来、たゆまずサービスの改善を重ね、折に触れて商品カテゴリーを増やし、時として大胆な新規軸を打ち出してきた。これらが功を奏して、売上高は目覚ましい伸びを示しとてきた。

1996年

●〈アマゾン・アソシエイツ〉プログラムの導入

1997年

●パーソナライズ・リコメンデーション機能の導入

●ジャンル別ブラウズ機能の追加

●値引きの拡大

●〈1-Click〉ショッピングの開始

●ヤフー、アメリカ・オンライン(AOL)などポータル・サイトとの提携によるアクセス数の増大

1998年

●売上ランキングの表示開始

●インスタント・リコメンデーション機能の導入

●イギリスとドイツのサイトを開設

●出版社や著者による直販サービス(アマゾン・アドバンテージ)の開始

1999年

●ウィッシュ・リスト機能の導入

●携帯端末向けサービスの開始

●購入者の所属別ベストセラー・リストを表示

●検索広告の情報を公開

●〈カスタマー・レビュー〉の開始

●〈zショップ〉の開設

●全カテゴリーの検索が可能に

●オークションの開始

2000年

●〈アマゾン・フレンズ・アンド・フェイバリッツ〉の導入

●日本とフランスのサイトを開設

●外部者による固定価格販売サービス〈マーケットプレイス〉の開始

2001年

●定価20ドル超の書籍を3割引きで提供する書籍セール

●99ドル超の注文は配送無料

●特売品を案内する〈ゴールド・ボックス〉の開始

●書籍の立ち読みサービス〈ルック・インサイド〉の開始

●同じ商品の二度買いへの注意を喚起する〈インスタント・オーダー・アップデート〉

●顧客自身がアカウントを設定する機能の導入

●小売業のターゲットやサーキット・シティ、大手映画スタジオとの提携

2002年

●無料配送の対象を25ドル超の注文に拡大

●〈アマゾンWebサービス〉の提供

2003年

●書籍の全ページが検索できる〈サーチ・インサイド〉の開始

●eコマース関連の技術やサービスを外販する〈アマゾン・サービス〉の開始

●検索技術開発の子会社A9ドットコムを設立

2004年

●〈アマゾン・シアター〉で短編映画を公開

●2004年大統領選コーナーの開設

●卓越網(Joyo.com)を買収して中国進出

2005年

●年間79ドルの会費を支払うと、速達便サービスが使い放題になる〈アマゾン・プライム〉の開始

●書籍を章単位、ページ単位で販売する〈アマゾン・ページズ〉の開始

●書籍を購入した顧客にそのデジタル版を提供する〈アマゾン・アップグレード〉の開始

2006年

●執筆者用のブログ・ホスティングサービス〈アマゾン・コネクト〉の開始

●出荷代行サービス〈フルフィルメント・バイ・アマゾン〉の開始

2007年

●タギング機能の提供

●定期購入サービスのくサブスクライブ・アンド・セーブ〉

●〈ゴールド・ボックス〉の詳細をRSSフィードによって配信

●子会社のクリエイト・スペースによる自費オンデマンド出版サービス

【取扱商品の拡充】(2007年時点の取扱商品は41カテゴリー)

1996年(書籍)

1998年(音楽ソフト、映像ソフト、ギフト)

1999年(家電製品、家庭用品、ソフトウェア、玩具、ビデオゲーム)

2000年(台所用品、自動車用アクセサリー、ガーデニング、健康美容商品)

2001年(コンピュータ、雑誌)

2002年(アパレル、アクセサリー、旅行サービス)

2003年(宝飾品、グルメ)

2004年(靴)

2006年(雑貨、映像ダウンロード)

2007年(デジタル音楽)

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